64話のネタバレ
佐野は何十年ぶりかに会う進藤があまりにも変わってなくて驚いた、そしてなぜか目をそらしてしまった。
ボクはあいつを憎んで憎んで憎んで頼むからいなくなってくれと何度願ったか、長年頭の中に描いてきた進藤の姿と目の前に現れた進藤が同じだったことに戸惑ったのだった。
蝶子さんに言われた「ちゃんとたたかいなよ」と言う言葉が思い出される。
まり子と、しのさんを庇って、森崎さんが絡んできた男性を投げ倒した。
その男性は気を失って倒れてしまった。
しのさんは森崎さんに逃げろと言うが、すでに目の前には警察が到着していた。
そしてその男性、野上さんは救急車で運ばれることになった。
痛がる野上さんの声を聞きながら、しのも「そういえばあたしも痛いかも」と言っている。
警官は野上と一緒にいた人たちに事情を聴いているが、その話は実際のこととは違ったためまり子が口をはさむが、最後に「あの大きな人が力任せになぐりたおしたの!!」と言われてしまう。
それを聞いてまり子は「ちがいます。その野上さんが私につかみかかろうとしたから森崎さんがかばってくれたのです。それに先に手を出してきたのはその人のほうでしょ」と言う。
しかし野上と一緒にいた女性たちは「最後にこんなことになるなんてかわいそう」と言って救急車に乗せられる野上のことを見ている。
腰が痛いのを我慢しているしのさんに森崎は「この人を早く病院に連れてやってくれ」と言う。
しのがなかなか言う事を聞かないので森崎は「この女性も腰を打ってる!乗せてやってくれ!」と救急隊員に声をかける。
すると野上と一緒に救急車に乗るように言われてとまどうしのさんに森崎は「嫌かもしれんがとにかく早く病院へ。早く行け」と言う。
ようやく救急車に乗ったしのさんの目の前で森崎は警察の車両に乗せられるのだった。
救急車の中では野上は変わらず痛い痛いと言いながら血圧を測られている。
しのさんは連絡先を書いて救急隊員に渡して自分が出版社で働いていることを伝えると、野上に名刺をよこせと言われるが、その名刺は救急隊員の人が受け取り警察に渡しておくと言う。
森崎は被害届を出すと言って、あれやこれやと文句を言い続け最後には「こんなことになってみんなが許しちゃおかんからな!」と言うのであった。
救急車を下りたしのさんが一人とぼとぼと歩いていると森崎さんからさっき預かったスマホが鳴っていることに気づく。
電話に出てみると相手は「遅いな森崎、寝てたのか?森崎の友達か?森崎の奥方、ではないな?あんた誰だ?」と言う。
するとしのさんは「森崎を助けてくれ。森崎、森崎がたいほされちゃったー」と言うのであった。
それを聞いて佐野は「逮捕されたとはどういうことだ」と聞き返す。
するとしのさんは
「あたしはあの人の茶飲み友達だよ。三原しのって言う。森崎はスーパーでからんできた変なオヤジから助けてくれたんだ。オヤジはまり子さんとあたしに暴力ふるってきて見かねた森崎がそいつを投げたら気を失って警察が呼ばれて森崎連れていかれちゃった。みんな森崎が悪いって決めつけるんだ。こっちの言い分をきいてくれん」
と説明する。
それを聞いて佐野は「何を言っている?そんなの信じるわけないだろう?あいつが意味もなく誰かに手をあげるなんて“ボクの森崎”がするわけがない」と言う。
警察での事情聴取が終わったまり子は事務所へ電話してこれからタクシーで帰ると言う。
まり子は以前八百坂さんか事故を起こした時のことを思い出してずいぶん前の出来事のようなのにこうしていると今もまだ痛いと感じている。
でもしのさんと森崎さんの今回のことは悲しみよりも怒りと不満と「相手がまちがっているのだ」と言う思いに満ちている。
ガーッとドアが開いてそこからまり子の前を横切って、佐野が入ってくる。
佐野はご用件はと聞かれて「森崎を出せ」と言う。
そして「ボクの断りなしに森崎を勾留するなんて許さない」と言う。
それを聞いたまり子は「佐野さん、こっちへ」と言ってひとまず連れて行き「誰にきいたんですか」と言うと、佐野は「森崎の飲み友達とかいう」と話す。
そして佐野は「そのご婦人の説明なら悪いのは相手の方だ」と言う。
しかし後ろから「でも暴力をふるってしまったのは本当らしいんです」と聞こえる。
佐野は「お久しぶりで、森崎の奥方」と言って近づいてくる。
森崎の奥さんは「私だって夫がそんなことできるとはとても。お友達のことも全然知りませんでした。定年後めっきり交友関係もなくなった」と言って急に連絡が来て驚いたのだと言う。
佐野は「ボクだってそんな森崎はしらない。森崎は気弱で孤独でヒマな男だ。でもあいつはボクにはやさしい」と言って笑って見せる。
そして暴力をふるったのが事実なんだとしたら相手が先に手をだしたのも事実、それを証明したい」と言って「編集長、相手に会うぞ」と言う。
まり子は治療中でと答えるが、佐野は「なんの治療だ?頭か?打ち身?レントゲンか?CT?」と聞くがまり子は分かりませんと答える。
佐野はそれでも行くだけ行くと言って場所を聞こうとする。
しかし、まり子は「待ってください。今こっちは加害者なので慎重にしたほうが良いと思います。」と言うと佐野は「あんたは誰の味方なんだ?」と言う。
「え?」と答えるまり子に佐野は「言ってる意味がわからなきゃいい」と言う。
まり子は「私は当事者です!目の前で見てますから。森崎さんがやさしい人なのは知ってます!明日ちえぞうさんに会いにタクシーで病院に向かいます。そのときに一緒に行きましょう」と言うと佐野はようやく「わかった」と言うのだった。
そしてまり子は奥様にも一度家に戻るように声をかけるのだった。
森崎さんは留置場で、奥様は家で、しのさんは病室で一晩を明かす。
翌日、まり子は佐野と一緒に車で出かけることになった。
まり子が「私達があのあとスーパーに行かなければこんな大事には」と言うと佐野は「“後悔はときに”“正円であるものを四角に見せる”」と言う。
まり子が誰の言葉かと聞くと、佐野は「ボクが作った。ボクは反省も後悔もしない。そんなもの現状がゆがんで見えてるだけだ」と言う。
まり子が「佐野さんは森崎さんと古いお友達で?」と聞くと佐野は「学友だ」と答える。
それを聞いてまり子は「それはとてもすごいです。学生時代から何十年もずっと付き合いがあるなんて」と言うと佐野は「森崎は友達がほとんどいない」と答える。それを聞いてまり子は「自分も?」と思うのだった。
そしてまり子は「ちえぞうさんと友達になったのは珍しいのね」と言って、この病院だとタクシーの運転手に伝える。
まり子たちのタクシーの前から蝶子さんと進藤が下りてきた。
どうしてと言うまり子だったが、進藤は「お、佐野君もか。聞いたよ捕まったの友達なんだってね。」と言う。
それを聞いて佐野は「どうしてだ!!」と言う。
進藤は佐野に「じゃあ今度はオレが君と組む番だな!!」と言って自分自身を指さすのであった。
64話の感想&考察(ネタバレ含む)
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